今回のテーマはFRB米国中央銀行の利上げ時期と対円に対するバーツレートの関係です。
本来であれば、FRBの利上げなので、対ドルでのバーツレートを考察すべきなのでしょうが、為替を三つ巴で考えるのは非常に複雑ですので、バーツは円に対して、ドルと連動して動くものとし、FRBの利上げの影響が対円のバーツレートにどのような影響を過去に与えて来たのかを考察してみましょう。
○過去20年間の米国の「利上げ開始」時期
1.1994年2月4日
2.1997年3月25日
3.1999年6月30日
4.2004年6月30日
過去20年にFRBの利上げは4回あった。次回の利上げは、2015年12月というのが現時点での一般的見方です。前回の利上げ開始からは既に10年以上が経過しています。
さて、次の上のグラフは、対円のバーツレートとFRBの利上げ開始点との関係です。
以下の対円でのバーツレートの推移をまとめますと:
1.1994年 2月4日 → 急速にバーツ安
2.1997年3月25日 → 急速にバーツ安
3.1999年6月30日 → 急速にバーツ安
4.2004年6月30日 → 急速にバーツ高
となり、FRBの利上げ開始の4回中3回は、その後バーツ安(円高)になっています。
2004年の利上げ移行のバーツ高は、バーツ高というよりは日本の金融緩和が円キャリートレードに拍車を掛け、行き過ぎた円売りが対バーツに対する円安を加速させてしまったと言った方が良いだろう。
○FRBの利上げ開始と対円バーツレート
FRBが利上げを開始すると、新興市場に投資していたドルが米国に還流し、新興市場通貨は売られ通貨安になると言われています。
現在タイは正常が不安定であり、景気も状態も以前程の勢いはありません。
アジア通貨危機を経験したタイは、外貨準備も現在は十分あり、以前のように急速なバーツ安は考えにくいというのがFRB利上げ後には、対円でタイバーツは、バーツ安になるのではないかと予測します。