タイバーツが売られている。以前の記事「FRBの利上げ開始時期と対円バーツレート」で予測した通り、FRBが利上げを決定した12月16日以降下のチャートを見てもわかる通り、米ドルに対して、タイバーツは急激に弱くなり、1ドル=36.1-36.2バーツで推移している。
2015年の10月2日に付けた終値36.42の2015年中最安値にじりじりと近づいている。ほかのアジア通貨同様、米国FRBの利上げから売られやすくなっている。
2014年5月に生じた軍事クーデターから1年以上が過ぎても国内景気が浮揚せず、これが通貨安を後押ししている。
タイは、インラック政権時に自動車購入に対する莫大な補助金を出し、庶民の多くが車を購入した。
バンコク以外では、車は家よりも高く、中小都市なら中型車セダンで家(タウンハウス)が2~3軒買えてしまうくらいの高級品なのだ。
このローンが高水準の家計債務となり、家計の重荷となって消費は思うように盛り上がらない。また、軍政のインフラ計画も遅れており、経済回復はなかなか進んでいません。私は、軍政の方が、安定しており、政情混乱から脱して経済は回復せずとも、安定すると思っていましたが、経済運営の結果がでるにはまだ時間がかかりそうです。
こういった状況を市場も察し、2014年の軍事クーデター後に1ドル=31バーツ台まで買われたバーツは、2015年半ばから下げ足を早め、FRB利上げ決定でもう一段バーツが弱まる傾向にあります。
また、ここに来て対ドルで円が急上昇している。4日のニューヨーク外国為替市場で円相場は年始の休場を挟んで続伸し、前年末比85銭円高・ドル安の1ドル=119円40~50銭で取引を終えました。一時、1ドル=119円00銭まで円高・ドル安が進んだ。米国経済の減速懸念、中国経済の不安、サウジ・イランの政情不安などを背景に米国を始め、世界的に株式市場が大幅に下落し、運用リスクを回避するための円買い・ドル売りが優勢となりました。
このため、円は対バーツで更に強まり、1月5日の日中取引では、1万円=3025バーツを挟んだ取引になっています。
満員御礼では、今後もしばらくは、バーツは対ドルに弱含み、対ドルで円は強含むと予測しています。満員御礼では、1~2か月は1万円=3000~3100位のレンジで推移するものと考えており、その後のタイバーツレートは、FRBの次の利上げタイミングと利幅に大きく左右されると考えています。
尚、タイリピーターの皆さんは、1月は3100バーツまでバーツ安が進行するとお考えになっているみたいですね。「2016年1月の最高レート」をご参考ください。皆さんも投票してくださいね!