バーツ レート|タイバーツ満員御礼両替所

タイバーツ満員御礼両替コラム

タイ経済

プミポン国王が死去 バーツと経済への影響は?

プミポン国王死去後の経済への影響

プミポン国王が、13日死去しました。大変残念なニュースで冥福をお祈りしたいと思います。
プミポン国王が死去した後は、タイに経済的な混乱や停滞が訪れると言われていますので、検証したいと思います。

1か月の自粛と1年間喪に服す

プミポン国王の死去したあとに30日間の自粛と1年間の喪に服すことが発表されています。
これは国民の消費も落ち込むことが予想され、観光業には打撃を当たることでしょう。

短期的にはタイの景気の下振れ要因となり、株安になる可能性があります。
景気があまりにも後退するようなら、タイ中央銀行の利下げも視野に入ってくる可能性があり、バーツ安に向かう可能性があります。

10月14日のSETとバーツ為替

プミポン国王死後の翌日の10月14日は、SETとバーツは、上昇しています。
プミポン国王のようだ悪化が伝えれられた9日から、株安、バーツ安になっていて、それぞれSETは6.1%下落、バーツは、2.1%下落していました。
14日は、それを取り戻す勢いで上昇しています。

○SETチャート 5分速
10月14日のSETチャート

参照:Investing.com


○ドルバーツチャート 15分足
10月14日ドルバーツのチャート

参照:Investing.com


上記を見てもらうとわかりますが、SETもドルバーツの為替も傾向的に下落していましたが、14日から上昇しています。

政府が、通常の経済行動を維持するように努めたことにより、混乱がなく、通常通りに金融機関が資金決済や株式売買が行われたことにより安心感が広がり、株高につながったと思われます。

今後の経済への影響

今後の経済への影響は、基本的には軽微だと思われます。
洪水の時のように機械設備が壊れるようなことがなく、今日の株式市場をいる限りは、経済的な混乱もほとんどないのではないでしょうか。

ただし、上記にも書いた30日間の自粛と1年間の喪に服す期間がありますので、消費の下振れ懸念があります。
行き過ぎた消費の下振れは、タイ中央銀行の利下げなどの金融緩和がありえますので、その場合は、株高バーツ安になる傾向があります。

国内の消費の減少と観光業のマイナスが大きな経済への影響だと思われますが、バーツの相場やSETには、大きな影響を及ぼさないのではないかと予想いたします。

アジア通貨危機後のバーツレート推移と今後の予測

アジア通貨危機

【アジア通貨危機】

アジア通貨危機

1997年のアジア通貨危機以前まで、他の多くの発展途上国のようにタイ・バーツはアメリカドルとのペッグ制(固定相場制)を取っていました。しかし1997年頃には、バーツのレートが実体経済よりも過大評価になっていることに、欧米のヘッジファンドが目を付けられます。

ヘッジファンドが為替市場で大量のバーツの空売りを仕掛け、タイ中央銀行はドルペッグを維持するためにドルを大量に売り、バーツを大量に買う為替オペレーションを行い、自国のバーツを防衛するため戦いました。しかし、当時のタイ中央銀行は外貨準備が自国通貨を防衛する十分な外貨準備が無く、外貨準備が底を突き、ドル売り介入が不可能になったため、7月にはドルペッグ制を放棄し、変動相場制に移行しました。

これにより対米ドルの為替レートは、1ドル25バーツ程度だったのが、数ヶ月で1ドル50バーツまで暴落し、IMFから救済を受けることになりました。このタイ中央銀行の敗北がきっかけとなり、インドネシアや韓国・フィリピンなども、ヘッジファンドの空売り攻撃を受ける事になり、これがアジア通貨危機へと発展していきました。

【アジア通貨危機後のバーツレート】

アジア通貨危機以降は、一時的にバーツは対ドルで50バーツまで落ちますが、その後、リーマンショック前までは30~45バーツ、2008年~2015年までは、1ドル=30~35バーツ程度の狭いレンジで安定しています。
クーデターや大規模なデモなど、政情不安があっても、さほど激しく変動はせず、ボックス圏での値動きです。

【アジア通貨危機後のバーツレート】

対円では、2005年~07年頃は円キャリートレードによる日本の円安期であり、2009~12年は民主党&白川日銀のデフレ政策による円高期、2012年からはアベノミクス&黒田日銀の金融緩和(インフレ目標)導入により再び円安に振れ、現在、対円では2915バーツ=10,000円付近で推移しています。

【今後のタイバーツレート予測】

上記は、2000年からの1円に対するバーツレートです。簡単のため、今後は10,000円にたいするバーツレート(例えば、2015年11月10日時点では約2915バーツ)の値を使います。2000年から2015年までの16年間のうち、約10年間は3500~4000のレインジにいます。

円に対する3000バーツを切ったバーツ高は、2007年、2013年、2015年の3年のみです。バーツ高というよりは、対円でのバーツレートを決めているのは日本の金融政策や金融事情です。2005年~07年頃は円キャリートレードによる日本の円安期であり、2012年からはアベノミクス&黒田日銀の金融緩和(インフレ目標)導入により再び円安に振れています。このため、ドルに吊られて変動するバーツレートも、上がったというわけです。

今後、米国のFRBが2015年12月以降に利上をすると思われます。米ドルが利上げすれば、円との金利差は一層開き、一時的に円の対ドルレートは130円近くまで下がるかもしれません。そして、その影響で更なるバーツ高になる可能性もあるでしょう。
しかし、歴史機的に見て為替相場は一方向に動くことは殆ど無く、米国の利上げ後は、数カ月ずれて円高になることが今までも繰り返されてきました。

満員御礼両替所では、2016年にバーツは一時的に2500~2800バーツまで上がり、その後は数年かけて3500~4000に下げと予測しています。

今日のタイバーツ両替レートをチェック!